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なおPMVの計算にはこの他に代謝量(Met)、着衣量(clo)が必要があり、旅客の衣服、行動の観察により、寒冷期(第1回)ではMet=55W/m2,clo=1.0および温暖期(第2回)ではMet=64W/m2,clo=0.8とした。
PMVの値と温熱環境に不満足な人の比率(PPD)を図2.3.2−4−3に示しているが、一0.5<PMV<+0.5がPPD10%以下の快適推奨域とされている。本船では全搬的に快適域にあるが、寒冷期には一部船室では暖房が効き過ぎるため、やや暑く感じられている。これは冬場の旅客船では共遁の事象である。一方、温暖期にも全般的に快適域にあるが、一部の船室では冷房が効き過ぎるため、やや冷く感じられる。
◆望氾ル
計測した照度の値(Lux)を図2−3−2−4−3(第1回)および図2.3.2−4−4(第2回)に示す。照度に関しては問題となる室はない。
?冒?サ
計測した騒音(A特性、オーバーオール値、dB)の値を図2.3.2−4−5(第1回:やや減遠中)および図2.3.3−4−6(第2回:全速走航中)に示す。なお、等価騒音レベルでもほぼ同じ値となっている。さらに、周波数分析結果(第2回1全速走航中)を図2.3.2−4−7に示す。
騒音は、機関室上部に位置するラウンジ以外は、IM0騒音規制値程度かまたは規制値以下である。また、車両甲板からのB甲板への遮音度をみても、本船はかなりの防音性能をもつといえる。なお、IMOの規制値は1600GT以下の船では準拠することになっている。
ぁ某尭ー
振動による楠正加速度を図2.3.2−4−5(第1回:やや減速中)および図2.3.3−4−6(第2回:全速走航中)に示す。さらに、および周波数分析値を図2.3.2−4−8に示す。船体としてはかなりの振動があるが、人間の感度が高い4〜8Hzでは加速度がさほど大きくないので、人間の感性に合せた補正加速度としては小さく、船室の振動は問題とならない。
ただし、全速走航時に行った計測結果では、人間の感性に合わせた補正加速度が全航程(暴露9時間)ではやや不快を感じる値となっているが、実際には五島列島縦断中(約4時間)は減速するために振動も低減し、あまり間題とならない。ただ、2等和室では主機の回転数(max.208cpm)に共振する部分があり、3Hz前後の加速度が大きい。
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